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ラノベドランカー

Author:ラノベドランカー
ラノベ大好きな中毒者。
ラノベ積本の海が引き潮気味になり、溺死の危機から脱出。
ブログ開設6年が過ぎました。
何事も継続は力なり。

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飾られた記号 The Last Object

2007-05-31

飾られた記号
電撃文庫
著作名:飾られた記号 The Last Object

著者名:佐竹彬(さたけ あきら)
イラストレーター:千野えなが(せんの えなが)
発行日:2005/06/25


あらすじ
あらゆる物質が持つ情報を制御する能力―― “情報学”。
その唯一の教育機関<パスカル>に入学した朝倉渚は、ミステリアスで “φ<ファイ>” と呼ばれるクラスメイト・日阪道理に興味を抱く。
そんなある日、渚は学園で起こった殺人事件に巻き込まれる。
死体の第一発見者となった渚が遭遇する、数々の謎とすれ違い。
そして事件の容疑者として挙がってきたのは――!?
朝倉渚と日阪道理の奇妙なコンビが贈る “φシリーズ” 第1弾。 堂々スタート!

レビュー
電波な雰囲気漂うサイバーミステリィ。

長い期間積みっぱなしで気になったので手に取ってみた一冊。

サイバーっていうのはきっと、電波って意味だと思う。
頑張ってミステリーにしようとしてるのは解るんだけども成りきれてない感が強い。
時折入る電波受信後みたいな文言は何なのだろうか。

空間に存在する”情報場”と直接やり取りすることが可能になった近未来。
人間の可能性が大きく広がっているこの世界設定は中々目を引くものがあった。
ただそれがイマイチ活かされていないような気がする。

起こる殺人事件、自分の認識と食い違う事実、深まっていく謎。
途中までは良かったと、まだ言える。
でもトリック部分にSF要素を使ってきたら読者側としては考える余地が無くなってしまう。
読者がそれまでの情報で解決までの道筋を推理できるなら良いのだが、未知のSF要素がキモでした、なんてオチは良くない。
ラノベでミステリーやるならもう少し上手くやってほしかった。

頑張って色々調べてる渚だが、結局は「お前のやっていることは全てお見通しだ」的なノリの日阪にあっさり真相解明をされてしまう。
この二人ってコンビというのだろうか?

ところで、この話で一番好きだった場面は渚と日阪のお茶してる所だったりする。
そういう意味ではコンビでも良いか…と思ったり。

兎に角、次が読みたくなるような滑り出しとは言い難い内容であった。

後書きに森博嗣氏の影響を受けていると著者自身の告白が。
森氏の著書は読んだことがないのだが、どうやら劣化版森博嗣という評価を受けていることが多い様だ。
逆に森氏の「すべてがFになる」の方が読みたくなってきた。
一巻読まずに買い込んでしまった同シリーズの処遇に困るわけだが…気が向くまで放置かな。


評価
★★★
(3)

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僕たちのパラドクス-Acacia2279-

2007-05-29

僕たちのパラドクス
富士見ミステリー文庫
著作名:僕たちのパラドクス-Acacia2279-

著者名:厚木隼(あつぎ じゅん)
イラストレーター:flapper
発行日:2007/01/15


あらすじ
高校生の高崎青葉は、学校の帰り道で恐るべき光景を目撃した。怪しげな倉庫の中で、少女が男を日本刀でまっぷたつに切り裂いたのだ。その少女ハルナは、青葉に「自分は未来からやってきた」と告げた──。タイムマシンの発明によって時空犯罪が生まれた未来。ハルナは時空犯罪捜査のために現代に現れたのだという。だが、時空犯罪者を処刑した直後、彼女の帰るべき未来が消失してしまう。青葉は、ハルナとともにその謎を探りはじめるが……。

レビュー
良作だけど、ミステリーでは・・・無いような。

第6回富士見ヤングミステリー大賞<大賞>受賞作。

タイトル通りタイムパラドクスをテーマにした作品。
時間モノはありがちなようでラノベでは結構少ない。そして少数精鋭な名作揃い。
高畑京一郎先生の「タイムリープ」は本当に凄かった。
ミステリー文庫から出版されたタイムパラドクスもの。しかも大賞。どの程度のミステリーが詰まっているのか非常に楽しみであった。

技術として時間移動が確立された時代の時間に関する理論等はよく考えられていて面白い。
特に未来への影響度を表すというガーランド指数なんて概念が印象的だった。
大きなどんでん返しもしっかり用意されていて、「時間」という扱いにくいネタを上手に使っている。
王道というかベタな部分もあるがそれも魅力の一つだろう。
しかしアクションと恋愛が前面に出てきすぎ。パラドクスはどこへ行った?という疑問も発生する内容でもある。

「麗しのシャーロットに捧ぐ」ではなく、この作品が大賞に選ばれたということが現在の富士見ミステリー文庫のスタンスを如実に表している。
つまり ミステリー<<<L・O・V・E!
ミステリーやる気無いんだな…と思わせるには十分。

タイムパラドクスというネタは上手く使えばミステリーになりうる。というかミステリー向きといえるかも知れない。
でも恋愛系、アクション系に傾倒気味な本作をミステリーと言い切ることは私には出来ない。

確かに完成度は高い。取っつきやすさを重視した総合的な評価としての大賞なのかもしれない。
でもそれだと富士見ファンタジアとの違いがどんどん無くなっていく訳で…。

決して「僕たちのパラドクス」が駄作だと言っている訳ではない。むしろ良作だと思う。
ただ、あまりに<佳作>のシャーロットがミステリーしていたので比較してしまうのだ。

だだの新刊としてなら良かったのだが、『ミステリー大賞』なんていう大仰な修飾語が付いていた為に色々肩すかし。
賞の名前変えた方が良い。
なにやら編集部への文句ばかりになってしまったが許して欲しい。


評価
★★★★
(4)

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ヴァーテックテイルズ 麗しのシャーロットに捧ぐ

2007-05-27

麗しのシャーロットに捧ぐ
富士見ミステリー文庫
著作名:ヴァーテックテイルズ 麗しのシャーロットに捧ぐ

著者名:尾関修一(おぜき しゅういち)
イラストレーター:山本ケイジ(やまもと けいじ)
発行日:2007/01/15


あらすじ
都市部では近代化が進んでいるが、辺境ではいまだに前近代的な社会が残っている時代。人形作家フレデリックの屋敷でメイドとして働くシャーロットは、5年も住み込んでいながら、フレデリックの妻ミリアムを一度も見たことがなかった。ミリアムの正体は人形なのでは? 疑いだしたシャーロットは、真実を確かめるため、屋敷に出入りする墓守の家を訪ねるが……。これはそんな時代に存在した、ひとつの屋敷で起きる三つの時代にまたがる愛と狂気の物語!

レビュー
これは凄い!正統派ヤングミステリー!!

第6回富士見ヤングミステリー大賞<佳作>受賞作。
ミステリーという看板に偽り無し!
こういう作品を待っていた。
後半までイラストが山本ケイジ先生だと気づかなかったことが不覚…。


序盤が重めだが一端エンジンが掛かってくるとドンドン引き込まれる。
ライトノベルお得意のちょっとしたファンタジー要素をアクセントに、正統・本格なミステリーが展開される。
富士見ミステリーのことだからそういった架空の要素で謎をうやむやにしてくるのかと思いきや、物語の道筋はしっかりと通っていた。

一つの屋敷で起こる三つの時代にまたがる事件。
それぞれの時代の登場人物の愛や狂気が絡み合い、物語はより謎めいていく。
薄暗い場所で一人黙々と読むことをオススメする。
蛍光灯の光ではなく、白熱灯の光が似合う。読む場所の雰囲気もこだわりたい一品。

読み進めれば進めるほど謎は深みを増し、狂気は加速していく。

頭を働かせながら読んでいかないと楽しめないかもしれない。少し茫漠としている箇所もある。
でもミステリーってそういうものだ。全てを解りやすく解説されても面白くない。
ラストの謎明かしでの狂気の結末には驚きと寒気を覚える。
濃厚で重厚。それ故に読み終えたあとの満足感もひとしお。
名作です、この作品は。

これが佳作で「僕たちのパラドクス」が大賞であることがよくわからない。
本格ミステリーだからこそ辛口評価を受けたと編集部後記に書いてあるが、それで佳作…本末転倒じゃないか?
審査員はミステリーに厳しい人達だったから今作が落とされたみたいにも受け取れる。
大賞作品が辛口評価されなかったのはラノベに厳しい人達がいなかったという裏返しの意味でもとれる…。
穿った見方が過ぎるとも思うが、そんな風に思ってしまうほど<佳作>であることが微妙に納得できない。


そういえばミステリー大賞って新人賞のはず・・・。
凄い新人さんが出てきたものだ。是非ヴァーテックテイルズシリーズで続編が欲しい。


評価
★★★★★
(5)

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富士見ミステリー文庫 コメント: 0 トラックバック: 1

バカとテストと召喚獣

2007-05-25

バカとテストと召喚獣
ファミ通文庫
著作名:バカとテストと召喚獣

著者名:井上堅二(いのうえ けんじ)
イラストレーター:葉賀ゆい(はが ゆい)
発行日:2007/02/09


あらすじ
「総員ペンを執れ!」──テストで召喚戦争!?
「こんな教室は嫌じゃああっ!!」 アホの明久は叫んだ。ここ文月学園では、進級テストの成績で厳しくクラス分けされる。秀才が集まるAクラスはリクライニングシートに冷暖房完備だが、彼のいる最低Fクラスの備品はボロい卓袱台と腐った畳だけ。明久は密かに憧れる健気な少女・瑞希の為、クラス代表の雄二をたきつけて戦争を始める。それは学園が開発した試験召喚獣を使い、上位組の教室を奪うという危険な賭けだった!? 第8回えんため大賞編集部特別賞受賞作。

レビュー
バカ・オブ・ジ・イヤー!!!

テストで学校内の待遇が変わる文月学園。
そんな学園でバカ最高位、つまりドベなFクラスの待遇に怒りを燃やした生粋のバカ達が巻き起こす下克上ストーリー。

めちゃイケのWBC(ワールド・バカ・クラシック)における濱口優が一杯いるような、カオスな状況。

電車の中や、静かなところで読むのは危険。
私はあまりの馬鹿っぷりに何度吹き出したことか。そしてその度周りの視線を気にしてた。
不意打ちで思っても見ない角度のバカさを見せつけられる。
本当に腹の底から笑える。最近こんなに本で笑ったことは無かった。


バカの一例を挙げておきます。(ネタバレにはなりません。)
「なぜなら、Bクラスは美少年好きが多いらしい」
「そっかそれなら確かに大丈夫だねっ」
「でもお前不細工だしな・・・」
「失礼な!365度どこからどう見ても美少年じゃないか!」
「5度多いぞ」
「実質5度じゃな」
「二人なんて嫌いだっ」

問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。
1.得意なことでも失敗してしまうこと
答え
1.弘法の川流れ

教師のコメント
シュールな光景ですね。


などなど、お笑いファクターが満載。
心の準備が出来てないときに襲ってくるものだから質が悪い。

一人アクシデントで紛れ込んでしまった天才をジョーカーとして、バカ共が織り成す戦略が面白い。
でもやっぱり馬鹿馬鹿しい。
所々で発揮される本領(バカ)に笑い、戦争で繰り出される奇策に笑い、色恋沙汰でもやっぱりバカで笑い。
どこまでも笑いの絶えない一作だった。
笑いが欲しい方は是非この本を読みましょう。
あー思い出しただけで笑いが・・・


評価
★★★★★
(5)

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ファミ通文庫 コメント: 19 トラックバック: 3

声で魅せてよベイビー

2007-05-22

声で魅せてよベイビー
ファミ通文庫
著作名:声で魅せてよベイビー

著者名:木本雅彦(きもと まさひこ)
イラストレーター:ヤス
発行日:2007/02/09


あらすじ
“孤高のハッカー”を名乗る高校生・広野は、尊敬する “おっちゃん”のOSマニュアルを入手するため、同人誌即売会に乗り込んだ。場内の熱気に圧倒されつつも何とか目的を果たした広野。だが、彼の前に自称“腐女子 ”の声優志望少女・沙奈歌が現われ、しかも成り行きで 彼女の恋の“エチュード”の相手をすることに! はたしてふたりは“本番アリ”な関係になれるのか!? 恋と声に身悶えする、第8回えんため大賞佳作受賞の三次元激?ミュージカル、ついに開演!!

レビュー
ハッカーは悪い人じゃありません!!

第8回えんため大賞佳作受賞作品。
正直に言います。表紙のイラストで買いました。

腐女子とかハッカーとか同人誌即売会とか、オタクが恋する物語かと思わせるあらすじや広告が目につくこの作品。
なんか押すポイント間違ってるんじゃないだろうか?広告の焦点とこの本のセールスポイントが絶対ずれてる。
あらすじや帯の広告で得たイメージとと中身のギャップ非常に大きかった。そして戸惑った。

声優志望の沙奈歌と成り行きで恋のエチュード、つまり練習、恋人のふりをすることになった自称ハッカー・広野。
口数は極端に少ない広野だが、彼の一人語りで話は進んでいくので思考は全部分かる。
たまに口を開くと偉くストレートで熱い言葉が飛び出すのは好印象。
寡黙だけど男らしい筋の通った男なので、読んでるこっちも気持ちが良くなる。
基本的にクールな広野が彼なりの方法で恋に取り組み悩む姿がたまらない。

所々で広野の技術屋としてのプライドが垣間見えたりするが、後から考えると著者の思考の顕現でもあったのだろう。

一番最後の見せ場が色々と臭く、これまでの流れと調和できてなかったように感じた点だけが残念。
それでも色々と見所があるお気に入りの一冊になった。
こういう恋物語も良いものだ。

ちなみに著者はマジの技術屋で、ソフトウェア屋でUNIX屋らしい。(あとがき参照)
本編で何かとそっち方面の専門用語が飛び出しているのはそういった理由。
しかしそんな技術屋さんが書いたとは思えない、しっかりとラノベなラブストーリーに仕上がっている。

正直普通の作家さんと変わらない、むしろ上のクオリティ。
兼業(なのか?)作家さんにここまでやられちゃうと本業の立つ瀬無いんじゃないだろうか。


評価
★★★★☆
(4.5)

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ミミズクと夜の王

2007-05-20

ミミズクと夜の王
電撃文庫
著作名:ミミズクと夜の王

著者名:紅玉いづき(こうぎょく いづき)
イラストレーター:磯野宏雄(いその ひろお)
発行日:2007/02/25


あらすじ
絶望の果てからはじまる、小さな少女の崩壊と再生の物語。

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。
額には 「332」 の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。
自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。
願いはたった、一つだけ。

「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」

死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。
全ての始まりは、美しい月夜だった。
―― それは、絶望の果てからはじまる、小さな少女の崩壊と再生の物語。

レビュー
優しい気持ちになれる一冊。

栄えある第13回 電撃小説大賞<大賞>受賞作。
尋常じゃない筆力。圧倒的な世界。
ただ、ミミズクが夜の王と出会い、愛されることを知っていく物語。
色々な感情を「知って」いく物語。

ライトノベルに新風を吹かせたいと言う電撃文庫の意思表示だろうか。
他の受賞作3作品とは全くベクトルが違う。
ぶっちゃけるとラノベともベクトルを別にしている。
最大のレーベルがこういった方向で攻めてくると、少しは風向きに変化が起こるかもしれない。
実力は圧倒的だがカテゴリエラーな気もする。
それでも大賞であることを納得させられてしまう何かが、この作品にはある。

世界平和は一家団欒のあとに」のレビュー後半で書いたことにはこういった考えがあってのこと。

間に一枚もイラストが無い、それが上手く雰囲気を出している。
この物語をたとえるなら昔話というべきか。
遠い遠いむかし、とある夜の森での愛の物語。
絵本を小説にしたような、そんなイメージも湧いてくる。
有川浩先生が「お伽噺」と評していたが、まさにその通り。

ファンタジー…とはちょっと違う、SFでももちろんない、ミステリー?んなわけない。
と言った具合に、どんな物語?と聞かれるとこれまた難しい。

内容について私が云々書くより、読んで貰った方が話が早い部類の本。
損をさせることは絶対に無い。ラノベ読者じゃない人にもこの本は薦められる。
むしろラノベ読者が大賞と思って読むとイメージとのギャップに苦しむことになるかもしれない。
それくらいこれまでと違う。


評価
★★★★★
(5)

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電撃文庫 コメント: 4 トラックバック: 0

108年目の初恋。

2007-05-19


ファミ通文庫
著作名:108年目の初恋。

著者名:末永外徒(すえなが ほかと)
イラストレーター:とりしも
発行日:2007/02/09


あらすじ
旧校舎【わたし】、解体寸前です──
この春私は『旧校舎』になった。ずぅっと生徒を眺めてきたのに、立ち入り禁止の旧校舎になんて、もう誰もやって来ない。寂しくしていた私のところに、ある日、ひとりの少年・新(あらた)が、探検に忍び込んできてくれた。もちろん私は大喜びで、ワクワクと観察していたのだけれど、危ない場所へと踏み込む彼に、思わず声をかけてしまう。どうしよう。もう人とは関わらないって決めたのに──。人と人ならぬモノとの初恋をピュアに描く、第8回えんため大賞優秀賞受賞作。

レビュー
人と人ならぬモノの恋。これは良いモチーフだ。

第8回えんため大賞優秀賞受賞作。
大賞と言うからには捨て置けない、そんな動機で手に取った一冊。

結論から言うと、嘘でしょう、これ。
大賞と名の付く作品のクオリティとはちょっと思えなかった。

わたし、こと校舎のコウ(このネーミングもどうかと思うのだが)は今年建造108年目。
そしてこの春、旧校舎になってしまった。
ずっと見てきた生徒達の姿が見れない、誰も来ない、寂しい。
そんな切なさがにじむ駆け出しは中々によろしかった、のだが…。

折角目を引く設定を持って来れたのだから、それを活かすストーリーを構成して欲しかった。

ピュアなラブストーリーというふれ込みではあったのだが、如何せんピュアすぎる。
新は実年齢相応にあまりに幼い。
コウにも108年目の旧校舎という設定はどこへやら、只の女子中学生のような振る舞い。
この女子中学生化で全てが終わってしまった感がある。

二人ともラブストーリーをやるにはちょっとばかし力不足。
そこに悪魔祓いだの、付喪神だのといった要素が入り込み良くわからない方向へ話が進み…。
物語に出てくるファクター同士の相乗効果が一切見受けられなかった。

108年という長い年月を生きたコウの深みが殆ど見受けられなかった。108年って何?

新があまりに幼すぎて好きになれなかったこと、ラブストーリーという展開とは言えなかったこと、その他諸々。
色んな事情により、面白くなかったという結論に達しました。
褒めるべき所がこれといって思いつかない・・。

辛口になってしまったのは、大賞という肩書きへの先入観も一つの原因。



評価
★★☆
(2.5)

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世界平和は一家団欒のあとに

2007-05-16

世界平和は一家団欒のあとに
電撃文庫
著作名:世界平和は一家団欒のあとに

著者名:橋本和也(はしもと かずや)
イラストレーター:さめだ小判(さめだ こばん)
発行日:2007/02/25


あらすじ
あなたには、世界平和より大切なものがありますか?

星弓家の兄弟姉妹は、みんな特殊なチカラをもつ。

彩美。 自称運び屋。 魔法を自在に操る。
七美。 無敵。 宇宙スケールで戦うバカ。
軋人。 生命の流れを思いのままにする。
軋奈。 生命を創り出す力を持っていた。
美智乃。 大食漢。 回復魔法の使い手。
刻人。 正義漢。 優しさと怪力を併せもつ。

彼らは、なぜだかしらないが世界の危機をめぐる事件に巻き込まれ、否応なくそれを解決しなければならない星のもとに生まれていた。
あるとき長男の軋人は、自らと世界と妹の、三つの危機に同時に直面することになるが――。
世界平和を守る一家が織りなす、おかしくてあたたかい物語。

レビュー
大切なもの?
世界平和<<<<家族 だろうが!

第13回 電撃小説大賞<金賞>受賞作のもう一つ。
テーマ、家族愛。
扉絵のホワイトボードのイラストから星弓家の団欒っぷりが溢れ出ている。

親父がかつて異世界を救った勇者、お袋がそのお姫様というトンデモ設定からして面白い。
そんな超人から生まれた子供達はもっと凶悪だった!というのも。
伝説の剣が親父の書斎に置きっぱなしで、時折さびしそうにそれを磨いているという元勇者の姿が切なすぎて笑える。
細かく笑いのポイントを抑えてくるところも大変満足。

受賞作の4作品の中で比べてみると一番オリジナリティーが溢れているし、言いたいこともハッキリしている。
言いたいことを示すまでの道筋がしっかりライトノベルという路線に乗っていて、でも主軸がぶれてないのは非常に良い。

超絶吃驚人間に囲まれ、諸事情で家族に負い目のある長男・軋人。
その負い目が上手く伏線として作用し、次の話へと自然に繋がっている。
ヒーロー気質揃いの家族の中で一人擦れた雰囲気のある彼が家族愛を巡る話の主体になるのがまたぐっとくるポイント。
ただ…彼の能力が「直死の魔眼」のアレンジにしか見えないのは私だろうか…。
戦ってる時の軋人の姿は私の頭の中では七夜でした。

なんだかんだで、みんながみんな家族を愛している。
そういうのが分かるのって実は凄いのではないか。
自分の家族への想いってどうだろうな、なんて考えさせられてしまった。

「世界を救おうなんてアホなことは、俺と、俺の家族を救ったあとですればいい。」
とあるところに出てくるフレーズだが、この一言が全てを物語っている。


登場人物が多い物語の常ではあるのだが、やはりこの作品も例外ではなかった。
つまり、全員を使い切れていない。
特に彩美姉さんの影が薄い薄い。1億パワーはあろう超超人七美の姉という抑止力的存在として設定されたのかな?
ほぼ全員のキャラを色々と配置しつつ上手に話を回していただけに、逆に使われてない人が居ると目立つ。


最終的な評価として、個人的には『ミミズクと夜の王』よりも好きな作品であった。
大賞と金賞の差は時代の流れってものもあるのだろうと考えられる。
技巧という点ではミミズクには勝ててないが、ラノベというカテゴリで考えれば甲乙付けがたい。

設定的にも、今回の終わり方的にも続編は大いに期待できる。
家族をモチーフにしたパワフルかつ暖かみ溢れる次回を待っている次第。


評価
★★★★★
(5)

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電撃文庫 コメント: 3 トラックバック: 3

本棚曝し編

2007-05-13

Alles ist im Wandelさんのところで拝見した記事によると本棚曝しが各所で発生しているようなので便乗。

しかしみなさんの本の数が尋常じゃないですね…
年間400冊の読書量で中堅と言われると薄ら寒くなります。
十分神領域です。

ちなみに今期の私の目標は年間150…。弱小でございます。
少なく見積もっても200は買うでしょうから年間50の積み本か。
定年まで40年と見積もったとしたら2000冊ですね、ひゃっほう(・∀・)

本棚


写真は私の本棚。
手前のはラノベ専用にしようと買ったのですが、棚の幅等の問題で下半分だけになりました。
全然足らないので読んだモノ、積んで優先度が低いものは段ボールに封印されてます。
そうして益々読まなくなる(´・ω・`)

スライド式になってはいるのですが、写真みたいに本を置くのでスライドできません。
常に片方しか見えない…。
こんな使い方になってしまいませんか?スライド式棚をお持ちの方の同意求む。

良い機会なので数えてみたら積み本が222冊ありました。
ふぃーばー。
未確認もあるので実質はもっとある模様。

蔵書数は大したことないですが、これから増えていくとそれなりに大変です。

このブログ始めてから順調に積み本が増えている。何故だろう…。



一押しおねがいします。

月記 コメント: 0 トラックバック: 1

なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。

2007-05-12

なつき☆フルスイング!
電撃文庫
著作名:なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。

著者名:樹戸英斗(きど ひでと)
イラストレーター:ほんだありま
発行日:2007/02/25


あらすじ
夢魔憑きは殴って起こせ! それがここでのルールだ!

肩を壊し野球部を辞めてくすぶっている高校生・葉岡智紀の前に突然現れたのは、“夢魔砕き〈アルプバスター〉” と言う名の金属バットを振り回す女、鍜夏希だった。
智紀は、《夢》 を見せて人間を惑わす存在、夢魔〈アルプ〉 に取り憑かれているというのだ。

夢魔に取り憑かれた人間から、夢魔を引き離す方法は二つ。
夢魔の見せる甘美な夢から自力で逃れて目覚めるか、アルプバスターで殴りつけるか――。

夏希は智紀にケツバットをかまして夢魔を消滅させると、夢魔の潜伏率が高い少年少女が集う場所、つまりは学校に潜入するため、智紀にまとわりつき始める。
口を開けば下品でやかましく、人の迷惑を顧みない年齢不詳の夏希を疎ましく思いながらも、智紀は彼女と共に人々に憑いた夢魔を追うが……。

レビュー
ラノベらしさ満点の銀賞作品!

第13回電撃小説大賞<銀賞>の受賞作品。
タイトル、表紙イラストからも古き良き昔からのラノベの流れを組む一品であることが分かる。

古くさいネーミングセンスだなと思ったのは内緒の話。

夢魔をケツバットで撲殺という設定がなかなかに強烈なこの作品。
やたらに快活で開けっぴろげ&年齢不詳なヒロイン夏希と、お約束的に巻き込まれた智紀のアクションあり、シリアスありの夢魔退治ストーリー。
ライトノベル臭さがプンプンしていて、原点回帰?と思わせる。
もちろん悪い意味なんかではない。

ちょいとイラストで気になる点が多かったのは残念。
担当の人も誰も気づかないのか?バットの握り方とかさ…
あまりアクションシーンを書き慣れてなかったんだろう。
細かい所を気にするなと言われるかもしれないが、プロは素人が気にならない所すら直す必要があるのだから失点であることは確実。

他の受賞作と比べるとやはり一押し足りないのかなというのも一つの感想。
ライトノベルというジャンルに一番フィットしているという以外での優位点が見あたらない。
メッセージ性やドラマ性よりも、勢いを重視して書かれているからかもしれない。
中身のここがこう面白い!とかいうコメントが絞り出せないのも、勢いで読み進めてしまったが故。
勢いで読んでいけるのはそれはそれで重要な長所だと思うのだけれど…。
読み終えた印象として、「ライトノベル読んだなぁ」と感じる。
嫌いな作品では全然無い。
点数が低めなのは他の受賞作との比較なのです。

電撃文庫のターゲット層が上がり掛かってる中でこの作品を受賞作として投入してきたのは狙いがあったのかどうか。


評価
★★★☆
(3.5)

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2007年4月購入本

2007-05-11

2007年4月購入本


電撃文庫
・とある魔術の禁書目録 (13)
・タロットの御主人様。
・十三番目のアリス (3)
・鳥籠荘の今日も眠たい住人たち (2)
・オオカミさんと“傘”地蔵さんの恋
・リリアとトレイズ VI 私の王子様 <下>
・レギオン きみと僕らのいた世界
・トリックスターズC PART1
・ディストーション 屍鬼の女王
・半分の月がのぼる空 7 another side of the moon-first quarter
・塩の街

ファミ通文庫
・バカとテストと召喚獣2
・“文学少女”と穢名の天使(アンジュ)

スーパーダッシュ文庫
・バニラ A sweet partner
・影≒光 シャドウ・ライト

富士見ミステリー文庫
・GOSICKsIII -ゴシックエス・秋の花の思い出-
・ROOM NO.1301 おとなりさんはアーティスティック!?
・ROOM NO.1301#2 同居人は×××ホリック?
・DEAR 少女がくれた木曜日
・DEAR2 あの娘を信じる金曜日

ハヤカワ文庫
・マルドゥック・スクランブル 燃焼
・マルドゥック・スクランブル 排気

その他
・少女には向かない職業
・クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
・クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識
・クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子
・サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し
・サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄

さて、五月も半ばに差し掛かろうという今日に四月に買った本の紹介。
社会人生活も一月を経過しました。
まだ仕事という仕事はしてないですが、自由時間は学生の比ではなく少ないです。
お金を頂くということの大変さが身にしみる毎日。
この記事もGWに書こうと思っていたらずるずると…
やるぞと思ったときにやらないと後手後手になってしうことを実感してます。
プライベートと仕事の両立は結構大変なのかもしれない。

さて、今月は27冊。
初任給が出て調子に乗って沢山買ってしまいました。
偶然立ち寄った古本屋での出会いも相まって結構大変なことに。
でも念願だった西尾維新の戯言シリーズが購入できたので気にしません。

電撃文庫の発売日過ぎてる…早く5月分買いにいかなきゃ。
6月の電撃の新刊が鬼ラインナップ、でも読む暇が…生殺しだ。

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レジンキャストミルク

2007-05-09

レジンキャストミルク
電撃文庫
著作名:レジンキャストミルク

著者名:藤原祐(ふじわら ゆう)
イラストレーター:椋本夏夜(くらもと かや)
発行日:2005/09/25


あらすじ
世界 “虚軸” から現われた少女と、普通の少年が直面する危機――。

「先輩、朝です。 起きてください。 がんがんがんがん」
平凡な高校生・城島晶の朝は、クールな美少女・硝子の叩く中華鍋の音から始まる。
一見、普通の人間に見える硝子――
しかし、その正体は、異世界 “虚軸”(キャスト) から来た特異な存在だった。
ありふれているが、平和で穏やかなふたりの生活。
だが、その日常という脆い皮の下には、奈落の闇が広がっていた……。
空想と妄想の果てに産み出された異世界と現実世界。
その境界線が薄れるとき、“欠落” と引き換えに異能を手にした者たちの物語が幕を開ける!

レビュー
独特の空気を醸し出す藤原祐×椋本夏夜の新シリーズ!

約一年半前の作品で新シリーズもクソも無い訳ですが見逃して下さい。
ルナティック・ムーンのタッグが送る「ほのぼの×ダーク(二巻の広告より)」なアクション。

ほのぼのとダークが共存すること自体なかなかにカオスな状況が想像できるわけだが、
このキャッチコピーも一概に間違いではない。

いわゆる一つのブラックジョーク、と評するのが良いだろうか…。
頑張って笑いを取ろうとしてるのかもしれないけど何故かシュールな風が吹く。
それがほのぼの×ダーク(?)。

ルナティック・ムーンを読んだ人は分かると思うが、藤原先生は暗くて重い濃厚な物語が得意。
どうしても文量がかさみがちで難しい専門用語(造語)が多くなってくる。
軽い話を書くには向いてない。

さらに椋本先生がイラストを手がける本は何故か明るい話にならない、というファン歴6年超の経験から言えることは…
「ほのぼの」はちと辛い。

といったわけで、決してライトな内容では無い。
アクションものとしてはレベルが高い一冊だと思う。
でもルナティック・ムーンが好きなら気に入ること間違いなし。ルナティック・ムーンよりも話自体は重く無い。
時折ツンデレのデレ部分の様に和める場面も含有されている。

設定はかなり込み入っていて一巻では全くもって使い切れてない。つまりは話はドンドン大きくなっていく、はず。
すでに現段階(2007年5月)でシリーズ7巻の刊行が予定されているわけだから、この予想もあながち外れていないだろう。

藤原先生と椋本先生は作風的に相性が良いと思える。
ルナティック・ムーンでも思っていたが、レジンキャストミルクで確信した。
以降のシリーズでも相乗効果が見込めるだろう。


評価
★★★★
(4)

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ユメ視る猫とカノジョの行方

2007-05-07

ユメ視る猫とカノジョの行方
電撃文庫
著作名:ユメ視る猫とカノジョの行方

著者名:周防ツカサ(すおう つかさ)
イラストレーター:森倉円(もりくら えん)
発行日:2006/01/25


あらすじ
少女の正体は猫――!? 不思議なラヴ・ストーリー。

高校1年の羽沢智季は、誰にも縛られたくないと考える少年。
友人、家族、恋人――
そんな人間関係を築くより、猫と戯れたり、1人で過ごす方がいいと思っている。

ある日のこと、智季が学校から帰宅すると、自室のベッドに飼い猫のミケではなく、見知らぬ美少女が横になっていた。
「ここはオレの部屋なんだよ! 他人の家だろーが! 居座るな!」
「ココニ、ワタシガ、イテモ、問題、ナイハズ」
智季はカタコトの日本語を話すその少女を、不法侵入だと問い詰めるが……。

その日から、智季の周囲で不思議な現象が次々と起こり――!?

レビュー
カノジョの行方より話の行方が気になります。

インサイド・ワールドのコンビ送る第二弾。

少女化した猫とのラブストーリーを想像させるタイトルにあらすじ、そしてプロローグ。
≪だったら、試してみない?私たちで≫
何を?!と思わずツッコミを入れたくなろうもの。
滑り出しは好調。

初っ端から何か恋めいたフレーズが飛びかい、さあどう盛り上げる?と期待に胸を膨らましていた。

しかし、その問題の少女(キリコ)=猫の正体が明らかになる頃から暗雲が立ちこめる。
なんだか「ラブ」って話から遠ざかっていく。
無駄に哲学的な台詞が入ってみたり、主人公の目がやたら冷めていたり…
この主人公がやたら穿った見方をする人物なので、どうにも好きになれない。
キリコも一向に可愛くなってくれない。

物語をさらに混沌とさせているのがキリコの謎設定。ちょっと変わり種すぎたか。
変化球投げ込んでみたら大暴投、ボールは遙か彼方へ。

何もかもが中途半端で言いたいことが伝わってこない。
ラブストーリーを構成するための要素があまりに足りていないと思われる。
辛口コメントになってしまったが、インサイド・ワールドとの差があまりに大きかったショック故。
最初から最後までどこにも盛り上がりを感じる事が出来ず、惰性でなんとか読みきった。
私には辛い一冊だった。


評価
★★☆
(2.5)

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神様のメモ帳

2007-05-05

神様のメモ帳
電撃文庫
著作名:神様のメモ帳

著者名:杉井光(すぎい ひかる)
イラストレーター:岸田メル(きしだ める)
発行日:2007/01/25

あらすじ
路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる美少女・アリスは、ニート探偵。
高校1年生の僕・藤島ナルミと同級生の篠崎彩夏を巻き込んだ怪事件―― 都市を蝕む凶悪ドラッグ “エンジェル・フィックス” の謎を、自室にひきこもったアリスが暴いていき……。
そして事件解決へ向け、普段は不真面目なニートたちが動き出す!

レビュー
扉絵のアリスが可愛すぎる。

火目の巫女シリーズでお馴染み、杉井光先生初めての別シリーズ。
シリーズ化されるかは分かりませんが(汗)、言葉のあやというもので。

冒頭に書いたとおり、見開いた瞬間アリスにKOされた。
この絵はやばい。掴みは最高にオッケー。

ニートと探偵。普通はありえない組み合わせの職業「ニート探偵」という単語の印象が強烈。
読んでみようか、と思わせるこのモチーフの組合せ方からして斬新。

ニート、といえばとりあえず悪印象的なイメージ。
しかし出てくる奴らは、世間一般にニートと思われてるような「無気力人間」では無い。
それぞれの得意分野では一般人を凌駕するし、引き籠もってばかりの暗い奴らでもない。…普段はめっぽうダメダメではあるのだが。
ただ一つ共通しているのは「なにをすればいいのか、わからない」ことに悩んで悩んで、苦しんでいること。
「なにか」を与えられたときのニート達の頼もしさには目を見張る。格好良い。

「神様のメモ帳」はニートが主役の駄目人間ストーリーなんかではなく、生きることの目的を模索している人間達のヒューマンドラマである。

ニート探偵・アリスのキャラがGOSICKのヴィクトリカにちょっとかぶり気味だったが、ヴィクトリカより良くしゃべる分感情表現が豊富だった気がする。
探偵とは『死者の名誉を守るためだけに生者を傷つけ、生者に慰めを与えるためだけに死者を辱める。』
序盤でアリスが言う言葉だが、これの意味が最後に持つ意味の切なさにも注目したい。

ニートを通して人間の生き死にへの関わり方を描いている本作だが、結構考えさせられることが書いてあったりして中身が濃い。
とても魅力的な作品だった。


評価
★★★★★
(5)

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扉の外

2007-05-03

扉の外

電撃文庫
著作名:扉の外

著者名:土橋真二郎(どばし しんじろう)
イラストレーター:白身魚(しろみざかな)
発行日:2007/02/25


あらすじ
“扉の内側” を支配するモノは―― “ルール”

修学旅行に行くはずだった高校生・千葉紀之が目を覚ましたとき、そこは密室で、しかもクラス全員が同じ場所に閉じこめられていた。
訳もわからず呆然とする一行の前に、“人工知能ソフィア” を名乗る存在が現れる。
ソフィアに示される絶対の “ルール”。
だが、紀之は瞬間的な嫌悪感から、ソフィアからの庇護と呪縛を拒否してしまう。
紀之以外のクラスメイトは全員そのルールを受け入れ、ルールが支配する奇妙な日常がはじまった。
孤立した紀之はやがてひとつの決心をするが……。

レビュー
閉塞感とリアルな人間模様がウリの金賞作品!

第13回電撃小説大賞<金賞>を見事受賞した作品。
もっと早くレビューしたかったのですがこんな時期に…すみません。

突如閉鎖空間に閉じこめられ、一定のルールを強制される生徒達。
ルールさえ守れば最低限の生活は保証される扉の中、生死の保証すらないがルールもない扉の外。
中に居続ける人間、外に興味を持つ人間。選択の自由は各人に委ねられている。

そんな異常環境のもとの人間の性分をえらくリアルに表現している。
ここまで追いつめられたときの心理を繊細に描く筆力には驚いた。

集団の中でスケープゴートを求める心理、スケープゴートにされた者の嫌悪感、リーダーの集団のまとめ方、そして失墜。
集団形成からその崩壊、もしくはその集団の勝利までの過程が構成員の心理と共に非常に緻密にまとめれている。
各集団に現れるリーダーがそれぞれに個性的で、そこに偶然的に巻き込まれていく主人公の思考の変化がまた面白い。

同学年の全8クラスでの争い、それに伴い現れる様々な種類のリーダーと群衆。
それはまさに世界の縮図。
今回の小説大賞の作品群の中で一番読み応えがあったのはこの作品。
引き込まれすぎて自分まで強力な閉塞感に捉えられたりもした。それほどの力強さを持っている。
深いのです。でもラノベの範疇を逸脱していない。見事なバランス。

惜しむらくは終わらせ方。一冊で終わらせるにはあまりに不自然かつ中途半端すぎる。
ええ?こんなところで終わり?!という、落胆しか覚えない終わらせ方が明らかなマイナスポイント。
残りページの量から、劇的に何か仕掛けてくるに違いない!とか妄想していただけに余計に凹まされた。
勿体ない、ホント勿体ない。

しかし、どうやら5月に二巻が出るらしいという嬉しい知らせ。
でも読み終わった時はそのことを知らなかったので、その時の気持ちを基準に評価ポイント付けたいと思う。
続きがあると知って読んでれば文句なしで星5つ付けたんだけれど…。


評価
★★★★
(4)

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