世界の終わり、素晴らしき日々より2 (電撃文庫)
あらすじ
突如、人類のほとんどが消えた“終わってしまった世界”。そんな世界をチィとコウは古いトラックに乗って旅をする。
旅の途中で知り合った上野を訪ね、2人が向かったのは、消失を免れた人々が暮らすコミュニティだった。夏祭りの準備が進むその場所に住む少年少女は、世界に置き去りにされてもなお、淡い恋心を抱きながら生きている。そんな中、謎多きコウの過去を知る人物が現れ──。
夏。多くの人々が消えた世界でコウとチィが目にするものは。父の遺骨。笑顔。少年と少女。恋。花火。過去。涙。嘘。
レビュー
世界の終わりを生きる少女達の物語、第二弾
正直ニ巻が出るとは思ってなかった。嬉しい誤算に読む手も進む。
1巻での辛い出来事の後、コウとチィはその時出会った上野がリーダーを務めるコミュニティに向かう。
集落としての形が出来つつあるそこで、コウとチィは年相応のひと夏を経験する。
タイトル通り世界の終わり感が強かった1巻。
どっこい2巻では少女達のひと夏の思い出がぎゅっと詰め込まれた、青春グラフィティに路線変更。
コミュニティで出会った同年代の男の子や女の子と、ぶっきらぼうなコウ、引っ込み思案なチィがうち解けていく様にほっこりできる。
特にやさぐれ気味なコウの変化には終始ニヤニヤできること請け合い。
これはこれで悪くない。特にコウを挟んでの三角関係とか、もうおいしくてお腹いっぱいです。
絶望感と血みどろな内容が多かった1巻とは随分方向性が変わったな、という印象。
コウとチィは、このコミュニティで人として必要な何かを補充できたんだと思う。
恐らく今回みたいな青春グラフィティはもう打ち止め。
次巻(出ると信じている)以降、コウとチィの二人にどんなことが降りかかるのか、期待と不安が入り交じっている。
私はこのシリーズとっても気に入った。
電撃では王道ではないけれど、こういうシリーズは絶対一つは必要なんだ。
終わった世界でも、素晴らしい日々を生きる二人の少女の物語はまだまだ始まったばかり。
どうか次が出ますように。
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