月の盾
あらすじ
あなたが教えてくれた。 心を彩る希望の色を――。
5年前に最愛の妹を亡くした村瀬暁は、叔母の忘れ形見の小柄で美しい少女・国崎桜花と同じ屋根の下で暮らし始める。
絵の才能に恵まれた桜花は、暁に見守られながら美しい風景をスケッチブックに描いていく。
だが、夕暮れだけはなぜか嫌いだと拒んで……。
「──描く。わたしはみんなに教えたいから、これからも描く。わたしが見ているこの世界はこんなにも美しいんだって、いろんな人に伝えたい……。だから、わたしは許されるかぎり死ぬまでずっと描いていく──」
これは色なき天才画家、国崎桜花の物語なのである。
レビュー
狼と香辛料をも凌駕する最上級の一品。
この作品は本当に凄い。
とりあえず賞賛の言葉から始めるしか無い。小説読んでここまで感動したことはかつてなかった。
永久殿堂入り。なんで早く読まなかったんだと後悔すらしている。
自然と涙が流れ出した。
一番感動したのは慶太のお母さんに絵画をプレゼントしたシーン。
桜花が描く絵がいかに心温まるものであるのかが、否応なく伝わってくる。
絵に魅了された人々の心が揺れ動く様がこちらにも伝播してくる。
人に「生まれてきて良かった」と思わせる絵とは一体どんなものなのか。
答えは自分の中にしかないというのがまたたまらない。
この作品は「小説である」ということ、文章であるということを最大限に活かしている。
物語を通して、心の中に自分だけの『月の盾』が描かれていく。
世界一の美人が自分の中にしか存在しないように、『月の盾』も『日没』も自分の中にしか存在し得ない。
しかしそれらを我々の中に確かに描き上げさせていく力がこの作品にはある。
あなたの『月の盾』を心に描きあげて欲しい。
作中では一枚の絵が世の中を騒然とさせることになる。
たった一枚の絵でそこまで世の中が動くか?といった疑問は浮かぶ。多少の過剰描写はあろう。
でもそこに目を光らせてはいけない。
その状況を桜花がどう乗り切り、「描くこと」とはどういうことかを見つけ出す過程、その結果を見るべきだと思うのだ。
たくさん本を読んでレビューしていると、どうしても構成やツッコミどころを探してしまう。
でもそういう読み方だけしてたらつまらない。そう思わせてくれた。
ともかくこの本は想像力が異常に働く。
作中の絵画についての挿絵は一切ないから、それ程の力のある絵画を自分の中に創り上げないといけないのだ。
絵画というモチーフ、キャラクターの設定、タイトル、様々なピースが上手く散りばめられ、上手く収集されていくのも高ポイント。
なんだか、こういう風に構成がどうこうと評価するのも無粋である気がしてくる。
今日ほど自分の文章力の無さが悔やまれたことはない。非常に歯がゆい。
この作品の素晴らしさを伝えていることができるとは到底思えないからだ。
一般の小説と比較してもトップレベルのクオリティであることは間違いない。
ラノベ好きもラノベを知らない人にさえ読んで貰いたい一冊。
この本に出会えたのは幸せだった。
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ラノベドランカーさん はじめまして♪
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「絵日記ブログ いまなにしてる?」 広報担当 はるこ
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2007-03-14 水兵リーベ [URL]
どうもですー。
ここのレビューを読んで衝動買いし、んで早速読み終えたんで、コメントを(´▽`*)
>この本に出会えたのは幸せだった。
まさにその通りです。っていうか、ありがとうございます。ここのブログが無ければ、この最高傑作と出会うことは無かったでしょう。
色々と作品について触れたことも言及したいんですが、どうしてもネタバレになってしまうのでそれは止しときます。いやー、実に素晴らしかったです。
これからもレビュー頑張ってください。影ながら応援してます(´▽`*)
ここのレビューを読んで衝動買いし、んで早速読み終えたんで、コメントを(´▽`*)
>この本に出会えたのは幸せだった。
まさにその通りです。っていうか、ありがとうございます。ここのブログが無ければ、この最高傑作と出会うことは無かったでしょう。
色々と作品について触れたことも言及したいんですが、どうしてもネタバレになってしまうのでそれは止しときます。いやー、実に素晴らしかったです。
これからもレビュー頑張ってください。影ながら応援してます(´▽`*)
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月の盾
2007-03-14 僕の船はシップスクラーク
何故かカラオケに行ったりとか、普通にアリプロ歌ったりとか、ARIAを結局二話分しか視聴できなかったりとか、試験結果がまぁまぁ(世間的に見れば極めて微妙)だったりと色々とあったんですが、それでも今日はこの作品の