狼と香辛料

狼と香辛料

電撃文庫
著作名:狼と香辛料
著者名:支倉凍砂(はせくら いすな)
イラストレーター:文倉十(あやくら じゅう)
発行日:2006/2/25


あらすじ
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神<賢狼>ホロと名乗った。
しばし共に旅をすることになった二人に、思いがけない儲け話が舞い込んでくる。
それには何か裏がありそうなのだが----

レビュー
第12回電撃小説大賞最後のレビューになります。
<銀賞>受賞作、「狼と香辛料」です。

私的には最後の最後でまた凄いのがキタ!!と言った感じです。
まず半分くらい読んで思ったこと。
電撃版経済小説?
ライトな経済小説にファンタジーが加わったという感じです。
それに犬耳のヒロインが加わったからもう手に負えません。
今までライトノベルを数百冊は読んできましたが、これは新しい流れではないでしょうか。
ライトノベルの新境地発見!

主人公ロレンスは行商人。
そのロレンスの商人としての思考が随分緻密に書かれてます。
登場人物も商人が殆ど、その商人同士の笑顔の裏に隠された常に儲けてやろうとする心理戦。

どんな境地に追い込まれても鈍ること無い商人魂。
その描写の細かさに関心しました、すごい。
商人達の「相手の考えの裏の裏まで読んでやろうとする心理」をライトノベルでここまで書き込むとは。
こういうちょっとした経済トリック(そこまでたいそうなものでもないけど)が好きな人にはいいけど、
ライトに読みたい人で、商業に興味なんてねーって人にはちょっと面白くないと感じてしまうのかな・・・。

そうした商人同士のやりとりに加えられる一滴(いや、もっとか)のエッセンス。ヒロインのホロ。
ふとしたことから旅の連れとなったこの賢狼の性格もたまらないものがあります。
本物の神とはこういうものか、というほどふてぶてしかったり、頭が回ったりするかと思うと、子供の様に癇癪をおこしたり儚げな様子を見せたりする。
古くさい言葉遣いも、老獪な神っぽくていいです。
老獪か子供っぽいかの両極端で、時折みせる大人げないところが非常に可愛らしい。
一種のツンデレか(ぉ
別にツンデレ好きなワケじゃないですが、こういうギャップのあるキャラは大好きです。
・・・ということはツンデレ好きってことになってしまうのだろうか(汗
数百年生きてる神様ってことはおばあさん?みたいな考えはこの際机の端に放置プレイしてください。
とにかくホロの使いどころが上手いです。
放っておけば野郎ばかりの商人話を、彼女を使ってうまく柔らかくしてます。

行商人として一年のうちの殆どを孤独な荷馬車の上で過ごし、友人もろくにできないことに悩むロレンス。
長年一つの土地で豊作の神としてまつられており、耐え難い孤独を味わってきたホロ。
いつの間にか二人にはかけがえのない絆と信頼が生まれていた。

いいです。最高です。
商人合戦だからといって殺伐とした雰囲気があるワケでもなく、でも盛り上げるところは盛り上げる。
今期の電撃小説大賞で一番素晴らしい作品だと思います。
続編もありそうなので、期待して待つことにします。


評価
★★★★★★
(二冊目の★六つです!!)

別窓 | 電撃文庫 | コメント:1 | トラックバック:5
∧top | under∨
<<毛布おばけと金曜日の階段 | ライトノベル読もうぜ! | 火目の巫女>>

この記事のコメント

こんにちわ!!
私もこれ、大好きです!!6がついていてああおんなじセンスの人だ!!って嬉しくなっちゃいました。
私も本を紹介しているので是非来てください!!
2006-04-16 Sun 18:28 | URL | asadayuuka* #-[ 内容変更]
∧top | under∨

コメントの投稿

 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

狼と香辛料
狼と香辛料posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.15支倉 凍砂〔著〕メディアワークス (2006.2)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る まだ二月も半ばですが、06年度最高の一冊。 個人的に。 物語を読む際に、いったい何が重要かと考える …
2006-03-30 Thu 02:50 Alles ist im Wandel
狼と香辛料/支倉凍砂
狼と香辛料支倉 凍砂 メディアワークス 2006-02by G-Tools 【行商人のロレンスが、ある晩に出会った美しい少女。彼女は自分がこの地方に伝わる豊作の神、賢狼ホロだと名乗った。麦と銀貨、狼と商人の物語】 ご覧ください、お客さま 麦に宿ると伝えられる豊穣の神・賢狼 …
2006-04-02 Sun 21:27 ラノベ365日
(書評)狼と香辛料
著者:支倉凍砂 行商人のロレンスは、麦の収穫期を迎えた村からの帰り、荷馬車で眠る …
2006-04-07 Fri 12:41 たこの感想文
「狼と香辛料」☆×5電撃文庫:著・支倉凍砂“行商人ロレンスと狼神ホロが織りなすエポック・ファンタジー!”【行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した …
2006-07-11 Tue 04:40 すたじおG
狼と香辛料
狼と香辛料 支倉 凍砂〔著〕 メディアワークス(2006.2) ロレンスが行商で立ち寄った村を去ろうとした時、荷馬車に可愛らしい娘が寝転がっていた少女には犬のような耳と尻尾が生えていた。自らを豊作の神・“賢... …
∧top | under∨
| ライトノベル読もうぜ! |