狼と香辛料IX(9) 対立の町<下>
あらすじ
伝説の海獣イッカクを巡り、港町ケルーベが揺れる!
『対立の町』編、ついに完結!!
「狼の足の骨」の情報を得るため、ロレンスたちが訪れた町ケルーベは、土地を巡って北と南が対立していた。そんな訳有りの町に、生肉を喰らえば長寿を得るという伝説を持つ海獣、イッカクが陸揚げされる。町の力関係をひっくり返しかねない価値を持ったイッカクの登場で、町は俄かに騒がしくなる。
そんな中、イッカクの横取りを狙う女商人エーブは、ローエン商業組合を抜けて自分のところへ来るようロレンスを誘う。狼狽するロレンスのもとには、さらにローエン商業組合から協力要請の手紙が送られてきて……!?
ロレンスの出した答えとは? そして、その時ホロは……。『対立の町』編、いよいよ完結!!
レビュー
商戦、決着。
「対立の町」決着編。
ホロが(ロレンスに信じて)殆ど表に出てこないため、ロレンスは怪物商人達を相手に涙目、な一冊。
上巻で完全な板挟みの刑にあったロレンスのその後やいかに?!
今回は殆どが商人達によるガチバトルの描写なため、このシリーズの商売の側面に興味が薄い人にはしんどいかもしれない。
心理戦の解説者たるホロがなりを潜めているため、事態はよりややこしく感じる。
相手の巨大さにおののき、歯車としての自分の小ささに嘆き、振り回され。
ロレンスの疲弊していく様にこちらまで疲弊してしまいそうだった。
エーブもキーマンも怖えぇ・・・。
そんな一寸先も闇な取引にどう決着が付くのか、それは読んでのお楽しみ。
ただ、今回はさらっと読むと何が何だかわからなくなる可能性がある。
全体像がややこしすぎて、少し重い。
とはいえ、面白さは折り紙付き。
ラストのエーブの行動はどう解釈すればいいのだろう。
今までの狼っぷりのおかげで全くわからなくなってしまった。
でも、エーブが中核となって進んできたこれまでの話の締めとしては大変面白い。
上手いなぁ。
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